2021年 5月 松愛会「川柳インターネット句会」実施報告
実 施 日 5月21日(金)〜24日(月)
句 会 新型コロナウィルス対策で、各自宅にてインターネットを介して、
投句・互選・点盛り・評価・提案等を続け、全投句60句の中からホームページ掲載句12句・うち入選句3句を
決定しました。
なお以上の掲載句とは別に、今回は大江戸松愛誌への
掲載候補3句も、別途青野会長より推薦させて頂きました。
(2カ月に1回継続中)
四世代 カレーにソース かけて食う 浜本
さざ波と 言った途端に 波かぶり 藤野
肘と肘 拳固と拳固 笑みこぼれ 吉永
参加会員 青野 進(千葉市)、藤野勝利(台東区)、浜本音一郎(横浜市) 、吉永 勇(板橋区)、
伊達博良(世田谷区)、戸谷輝夫(取手市) 以上 6名
「つぶやき」
店の中に入ると、大きな木札が正面に掛けてあり、こう書いてある。
「酒は五合まで、肴は有合わせ一品のみ」・・・その日の、有合わせ一品は蒟蒻であった。
短冊に切った蒟蒻を空炒りにし、油揚げの千切りを加え、豆腐をすりつぶして和えたものが
小鉢に盛られて運ばれてきた。白胡麻の香りもする(蒟蒻の白和え)である。
これは池波正太郎の鬼平犯科帳(鬼火)での鬼平こと長谷川平蔵が、ふと立ち寄った居酒屋での出来事である。
平蔵が食した(蒟蒻の白和え)を私の手作り料理で、今夜の晩酌の「一品の肴」にすべく試みた次第である。
早速、近くのスーパーで蒟蒻、油揚げ、豆腐と白胡麻を仕入れ、酒は貰い物の津軽の名酒「田酒」にした。
そして、勇んで台所に立つも、ふにゃふにゃした蒟蒻が短冊形に切れない、油揚げの千切りがなかなか難しい。
最後は殆ど手でちぎる有様である。このように苦労して作った(蒟蒻の白和え)を口にしたが、
平蔵が唸るほどの味には、程遠い。私の腕が悪いのか、それとも当時の江戸の人々は、この様な素朴な
質素な(蒟蒻の白和え)だけで、酒五合を飲んでいたのだろうか。
いや、待てよ。権兵衛酒屋の木札にある通り、酒を主としてたしなむ為には、肴は酒より目立ってはならぬ、
肴は酒の味を殺してはならぬ、肴は酒の邪魔をしてはならぬ。と亭主はつぶやいたに違いない。
そして、私の手作りの(蒟蒻の白和え)は、図らずも亭主のつぶやきを忠実に守ってるかのようだ。
ならば、長谷川平蔵、私の(蒟蒻の白和え)で今夜は五合の酒を飲むに違いない。
うまくても肴じゃ酔えぬ酒で酔う <浜本雀子 記>
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「次回案内」
日 時 6月25日(金)〜29日(火)
句 会 新型コロナ対策で、インターネットを介して投句・選句・意見交換
句 題 「ケセラセラ」 ・ 「あたふた」 ・ 「時事句」 ・ 「自由句」
「艶句」 (艶句はHP掲載対象外) 各2句以内 計10句まで
投句締切 5月21日(金) 松愛会会員の投句歓迎(1句のみでも可)
投 句 先 戸谷輝夫 t-tota2@outlook.jp