「お江戸健康管理室」 細井忠雄さんお宅訪問

お江戸健康管理室」 細井忠雄さんお宅訪問インタビュー

2023年7月1日に、88歳の細井忠雄さんのお宅にお邪魔させていただきお話をお聞きしました。
年代別にお話をお聞きして、同年代の会員の皆様の参考になるお話が聞けて有意義でした。

 

はじめに
今年の11月で89歳になります。退職してからでも30年近く経つので、子供のころのことや現役社員だった頃の話ではなく、その後の人生についてお話ししましょう。教訓じみたことなどではなく、ありのままの暮らしぶりについてです。
5年前に自宅を処分して高齢者向け住居に転居しました。2年前から家内が介護施設に入り、ひとり暮らしになりました。家族は長男と長女。それぞれ独立して家族を持ち、長女には男の子の孫が一人います。
昨年米寿の内祝いをやりました。家内はコロナ禍で外出できず欠席でしたので、後日施設で記念写真を撮りました。

定年から80歳まで(第2の人生)
定年退職してから数年間は働いていましたが、65歳ころからいろいろ会を立ち上げて仲間と楽しみました。
ゴルフ会(カワセミ会)は発起人。野鳥観察は現役時代から続けてきた趣味で松愛会の東京野鳥観察会にも参加していましたが、近年は足腰の痛みもあり欠席しています。
「遊湯ぅ倶楽部」は、自ら発足した多摩地区で日帰り温泉をたずねて周囲を散策し食事をする会です。新年の懇親会と年5回の例会を行い、平成18年から26年までで例会を42回行いました。世話役数人で実施内容を詰めて下見もして毎回20人前後が参加しました。

「多摩ハイクの会」も自ら発足した弁当持参でのハイキングの会で、平成19年から26年まで年に2回開催しました。こちらも「遊湯ぅ倶楽部」と同様に数名の世話役で実施内容を決め、毎回20人前後が参加しました。
いずれの会も参加者の3割程度が女性で、皆で楽しみました。世話役として実施計画や下見なども行い、とても充実していましたが、80歳を機会に終了した。この時期は仲間に恵まれ、とても楽しい人生を過ごしました。

80歳から85歳まで(第3の人生への準備期間)
・5年前に自宅を処分してサービス付き高齢者向け住宅に転居しました。転居を決めてから、親とも同居した5LDKの一軒家の家具や衣類、様々なものの断捨離に3年かかりました。おかげで今はご覧の通りのすっきりした暮らしになりました。
転居先はいろいろ調べ、雑誌の評価で1位だった今の住まいを選びました。3階建てですが、1階や3階が空いても断り、希望する2階に入居できるまで半年ほど待ちました。
今の住まいはサービス付きで朝夕の食事は提供してくれます。食堂では落ち着かないので、専用のワゴンを購入して自室でとるようにしています。(ゆっくり晩酌もできるので、、)
スーパーが徒歩2分、多摩川の河川敷も近く景色も良い。立川駅までのバスも頻繁に出ていてとても便利です。高齢になってからの住まいは便利なことが重要で、家探しや転居、断捨離などは体力があり、頭がしっかりしているうちにやるべきです。

そんなとき、和田秀樹先生の著書「80歳の壁」を読み、感銘を受けました。4回読み、内容を自分なりに整理してみました。「高齢者の持っている知識、能力、身体を生かし、やってみようと思うものがあれば試してみよう」というテーマで、かるたのように「あいうえお」の順にいろいろな教訓が載っていたので、これを「日常生活」「行動」「精神(心)」「健康(薬)」「その他」に整理してA4で4枚の資料を作り、知人や同じ住宅に住む人たち30人以上に差し上げたところ、感謝の手紙を何通も受け取りました。

85歳から(第3の人生)
仲間も体調が悪くなり、コロナ禍もあり集まることはなくなりました。そこで、これからは一人で楽しめることをしようと考えました。
新しい趣味はスポーツ観戦です。チケットは自分でインターネットを使って購入します。最初は苦戦しましたがこれもよい頭の体操になります。
 幸いに近くで気軽に行けるところが多く、立川の立飛ドームでのバスケットやバドミントン、所沢の西武球場でのプロ野球、調布の味の素スタジアムでのサッカーなどに出掛けます。特にバスケットボールは下部リーグですが立川で試合があり、間近で迫力あるプレイが楽しめます。
ほかにも多摩川の河川敷散策や昭和記念公園や野川公園での野鳥観察に一人で出掛け、気楽にマイペースで楽しんでいます。また、今の住居では週1回1時間ほどの体操会にも参加しています。
家内の見舞いは月に3回ほど行っています。入居している施設では最も多いくらいです。行き帰りに3000歩ほど歩くので、自分自身の運動にもなります。第2の人生を楽しんでいる間、なにも文句を言わずにいてくれたので、今は恩返しのつもりで色々な話をしたり、施設内の庭を散歩したりしています。
最近、長男と長女の息子(孫)の3代の男3人で食事する会を始めました。支払いは私がしますが、世代の違う男同士の食事会は刺激があり楽しいものです。
資産や保険、年金、税金などの状況、クレジットカードや印鑑の情報、自身が亡くなった時の連絡先などはファイルにまとめ、家族にありかを教えてあります。内容は毎年更新し、遺影も用意してあります。
今後、自分がより高いサービスを必要になった場合の入居先も候補を2カ所まで絞ってあります。これから下見をして最終的に決定するつもりです。これからはイライラせずに明るく一人の時間を過ごしたいと思っています。長生きをすればだんだんボケますが、「楽しい時をつくり笑顔で過ごす。好きな事、やりたい事をする。」をモットーにしています。
規則正しい生活を心がけ、睡眠時間は8時間。通院、投薬はきちんと守っています。晩酌は毎晩です。
こんな生活を、いつまでできるかはわかりませんが、やれることを、やれる限り続けていくつもりです。

訪問者:鶴若計子、笠井 洋

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