体温調整という重要な働きをはじめ、いくつもの役割がある汗。汗をかける身体づくりが必要です、熱中症対策にも一役かっています。
◆汗は進化の証?!
●ヒト以外に汗をかける生き物はほとんどおらず、汗は高等動物の証ともいえるのです。
森の中の狭い範囲で過ごしていた時代。 | 草原に出て走り回り、体温が上昇しやすく。 | 汗をかき、体温を下げることで長時間の歩行が可能に。 | 便利になって運動量が少なく、暑い時期でもエアコンで涼しく。 |
猿人 | 原人 | 新人 | 現代 |
発汗機能が発達 | 汗をかく機会が減少 汗をうまくかけない |
◆汗の働き
●体温調整 最も大きな汗の役割です。 気温の高い時や運動をしたときに上昇した体温を下げる。
●保湿作用 皮膚に潤いを与える、汗と皮脂が混ざり合った皮脂膜により皮膚の表面が覆われ乾燥を防ぐ。
●防御作用 皮膚を有害な菌から守る。汗は弱酸性で有害な菌の繁殖を抑える。
◆暑熱順化 (徐々に暑さに慣れてゆくこと)
暑い日が続くと、次第に発汗量や皮膚の血流量が増加して身体から熱を逃がしやすくなります。暑熱順化が進むと上手に汗がかけるようになります。
汗が皮膚の表面で蒸発するときに熱を奪う事で体温を下げる働きをします。
◆良い汗を上手にかく方法
●夏の水分補給のコツ のどが渇く前にこまめにとる、入浴の前後、寝る前・起きてすぐ 運動や作業の前後・最中にもこまめにとる。
高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなるので要注意
●良い汗をかきやすくする運動
ウォーキングやジョギング、ラジオ体操、ストレッチなど、軽く汗をかく運動を習慣化すると、良い汗がかけるように。
◆汗には3つの種類がある
①温熱性発汗:気温の上昇や運動、労働などで上昇した体温を下げるための汗。全身にかく。
②精神性発汗:精神的な緊張やストレスを受けた時に手のひらや、足の裏、わきにかく汗。(太古の時代、敵から逃げる時などに手や足が滑らないように湿り気を与える役割を持っていたとされる。)
③味覚性発汗:辛いものなどの刺激物を食べた時に、顔や頭にかく汗。
それぞれの汗のかきかたと役割がわかったところで下記汗はどこに当てはまりますか?
「手に汗握る」の汗は???
「冷や汗」の汗は??? 考えてみて下さい。
参考資料 「51年目のミキプルーンより」
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