第190回 漫友会 桜町陣屋・二宮尊徳資料館と高田山専修寺見学 &居合道範士八段小倉昇先生の講話と演武

実施日:令和2年1月25日(土) 10:30~18:40
集 合:JR下館駅 南口
参加者:(敬称略、五十音順表示)
石和利彦(龍ケ崎)、上田 進(柏)、大島耕而(千葉市)、沖中孝充(ひたちなか)、
小石川 功(筑西)、小森孝敏(竜ヶ崎)、新保知博(守谷)、田口春一郎(取手)、
戸谷輝夫(取手)、中嶋 繁(野田)、中山照明(神栖)、野尻 正(八千代)、
平川清治(松戸)、藤田和弘(古河)、古澤誠一郎(東京都江東区)、芳士戸 稔(つくば)、
山下晃生(牛久)、吉野 博(水戸) 【以上18名】
行 程:JR下館駅……二宮尊徳資料館、二宮神社、桜町陣屋/見学……高田山専修寺/見学
……しもだて地域交流センター「アルテリオ」/居合道の「講話」と「演武」……千石ヤ/懇親会
【実施内容報告】
第1部(桜町陣屋・二宮尊徳資料館と高田山専修寺見学)
(1)二宮尊徳資料館、二宮神社、桜町陣屋
小田原城主大久保加賀守忠朝の分家宇津家の知行地桜町領(物井村、横田村、東沼村の三村合わせて
公称4000石)は天明以後に荒廃し、元禄期に1915人あった人口が730人に激減し、田畑も
三分の二が荒地となった。
文政4年(1821年)大久保家より復興を託された二宮金次郎が、領民の先頭に立って復興を
進めた拠点が桜町陣屋であり、二宮尊徳資料館には、金次郎が実践した桜町仕法(財政再建策)の
説明や遺品の数々が展示されている。又、その偉業について、写真や映像などで紹介している。
同行した漫友会会員の小石川さんは筑西市の報徳壹圓塾(二宮尊徳の教えを学び、地域の活性化を
図るための市民団体)の塾長でもあるので、ガイド役を務めて頂いた。
なお、「金次郎」「尊徳」の名前についてだが、自身の名乗や自筆文書での署名は「金次郎」として
おり、「尊徳」はいみな。
(2)高田山専修寺
高田山専修寺は、親鸞聖人が建立した唯一のお寺で、専修念仏の根本道場とされた聖地である。
上人はこの寺で7年間居住し、念仏教化の活動をしたと言われている。
涅槃堂には、元禄時代に作られたという日本一とも言われる大涅槃像が安置されている。

第2部(居合道の「講話」と「演武」)
この日のメインイベントは、場所を「しもだて地域交流センター・アルテリオ」に移して、
全日本剣道連盟居合道範士八段小倉昇先生の居合道についての「講話」と「演武」を披露して頂いた。
小倉先生は、全日本剣道連盟の「審議員兼講師」及び同連盟居合道部門の「委員」という役員を
務められており、毎年行なわれる京都での中央講習会や各地での講習会で参加者の指導を行なう一方、
海外に於いても、毎年フランスの講習会から招聘を受け、指導を続けられてきた。
特記すべきは、平成26年、日本武道館50周年記念式典に於いて、さきの天皇皇后両陛下の行幸啓を
仰ぎ、全日本剣道連盟を代表して居合道の演武を披露されたことである。

(1)居合道についての講話
小倉先生の「講話」は、「武の心」を中心に、「さきの天皇皇后両陛下の御前での演武」や
「海外普及活動」などにも触れて、解りやすく、しかも質の高い話をされた。
・「居合」は読んで字の如く、居ながらにして合わせるもの。即ち自ら刀を抜くことはせず、殺意を持った
相手がどうしても殺意を消さない場合に、機先を制して抜くのが「居合」である。
・居合道修行の最終目的は、相手との無益な争いを避け、刀を抜かずして勝ちを収める和の精神にある。
そのための品格と気位を持てるよう、自身を磨くことが大切である。
・極意は、「自分は刀を抜かず、相手にも抜かせないこと」である。
・居合道の修行を通じ、その技術、精神が相俟って、高い人間形成がなされるよう心がけることが肝要である。
つまり、居合道の修練は「人の道」を極めることこそが枢要で、私利私欲の邪念を制御して己に勝ち、
社会の役に立つ人間になることが究極の目的である…と言える。
又、小倉先生は、日本の「武」及び「居合道」について深く思索し、次の様に述べられている。
・日本の「武」の文化は、1300年の歴史がある。
日本人の祖先は武を尊び、刀剣に格別の権威を認めていた。神話の時代にあって、刀剣の持つ力への崇敬の
念は、日本人の精神性の柱をなしていた。
永い歴史の中で日本の「武道」は「神武不殺」、即ち相手を生かし合う世界へと転化を進めてきた。
これぞ、抜かずして勝を制する居合道の究極の精神につながるものである。
・「武」という文字は、「戈(ほこ)を止める」と書く。
即ち「戈(ほこ)を止(とど)む」が『武』の本義である。
(2)居合道の演武
小倉先生が、羽織袴姿で真剣を手に居合いの妙技を披露された。
会場の全員が息を呑んで、その静と動を凝視した。
演武の前半、7本の技は小倉先生が創作した技で、昨年8月に初めて日光東照宮・東照権現様に
奉納したものだそうである。
なお小倉先生は、この30年の間、毎年欠かさず東照権現様へ演武を奉納されているとのこと。
後半、4本の技は夢想神伝流奥伝の技であり、戦国時代から脈々と受け継がれた「型」に、
小倉先生がいのちを吹き込んで演武したものである。
第3部(懇親会)
今年最初の懇親会を「千石ヤ」にて行なった。
※行事企画:芳士戸

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