松愛会でしか見えないものがある
滋賀支部支部長 増渕 貞夫
先月のメッセージで「知覚動考」について自省し、実践に移し始めたころ、友人の橋本元司さん(新価値創造研究所代表)が京都銀行定例会や伊丹北高校で講演をすることを知りました。関西に進出してくるとは感慨深いものがありました。
そのあと、橋本さんは比叡山延暦寺や近江神宮、三井寺、石谷寺、大津駅から彦根城までを訪れました。
私は是非とも橋本さんに声を掛け、滋賀の観光案内をしたいと思いましたが、残念ながら体調を崩していたため、その機会を逃してしまいました。
その橋本元司さんが2020年9月に、次のようなコラムを紹介し、考察を加えてくださいました。
「価値創造の知・第301夜」:SDGsシフト56『ウエストミンスター寺院の墓石の詞』
先週、
・「2030SDGs」@八王子北高等学校
・「SDGs de 地方創生」@新宿
のカードゲーム体験会サポートをしてきました。
そのレポートをFacebook等で綴ると、友人の増渕貞夫さんからの迅速な返信があり、それを拝読して嬉しくなりました。
それは、「イギリスのウエストミンスター寺院の主教の墓石に刻まれている言葉」でした。引用します。
『 まだ若く、自由で限りない想像力を持っていたころ、わたしは世界を変えることを夢みていた。
成長して知恵がつくにつれ、世界が変わることはないだろうということがわかり、視野をやや狭めて、自分の国だけでも変えようと決意した。
しかし、それさえも変化することはないように思えた。
晩年になって、最後の試みとして、せめてわたしに最も近い存在である家族を変えることで我慢しようとしたが、悲しいかな、それもかなわなかった。
そしていま、死の床に就いて、突然わたしは気付いたのだ。
もし、わたしがまず自分自身だけでも変えたなら、それを模範として家族を変えられたことだろう。
そして、彼らのインスピレーションと激励によって、自分の国を改善できただろう。
そうすれば、ひょっとすると、わたしは世界さえ変えることができたかもしれない。』
自分は、首記のSDGs体験会等を通じて、
・「SDGs」で世界を変えると布教活動、実践支援活動をしているようなものですが、上記の「主教の墓石の詞」を読んで感じたことは、
①自分自身は変わっただろうか?
②参加者は変わっただろうか?
という観察でした。
①で云えば、2030年に向けたSDGsの実現を自分のライフワークに決めましたが、まだまだ自分の中の意志に甘さがあるのではないか?
②で云えば、前向きな参加者達でありますが、それはSDGs入門編なので、簡単に「わかる→かわる」(第8夜)には届かないのが通常。
という内省でした。
改めて「SDGs」の本質として、国連で採択された正式文書名は、
・Transforming our world:2030 Agenda for Sustainable Development
(私たちの世界を変容する:持続可能な開発のためのアジェンダ2030)
つまり、「私たちの世界を変容する」 ことにあります。
『変容する』というのは、
・青虫がサナギになる(第101夜)
・オタマジャクシがカエルになる(第300夜)
のように、「姿、または、質」が大きく変質して成長することを言います。
さて、シニアの私たちよりも、ずっと人生クライシス、気候クライシス、地球クライシスを感じているのは若者たちであり、彼らは身近で将来の自分事です。
(上記体験会で高校生たちと話して実感したことです)
わたくしごととしては、2年前に、生まれたばかりの初孫を抱っこしたときに、孫たちの未来をこれ以上、抉(えぐ)られないようにしないといけない。
と強く想ったことがよみがえります。
そう、私たちは「危機意識・当事者意識・自分ゴト」を通して、「自分が変わる」ことを求められています。
自分が変わらないで、人が変わることは期待してはいけないことを再認識しました。
振り返って、2017年10月9日価値創造の知・第76夜には、「価値創造の秘訣:7つの力」を綴っていて、その一番目にその力を記していたので引用します。
(企業・地域・学校で、未来を切り拓く「価値創造」を体系的にお伝えして、「事業創生・地域創生・人財創生」のファシリテート・ナビゲートをしています)
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力
「SDGs」を実現するには、上記の「7つの力」が必要です。
それがこれまでの失敗・成功から得た成長に必要な力と道筋です。
そこには、「熱」「本気」が必要です。
それがないと、上記1~7を乗り越えて、一気通貫ができないからです。
そのバックアップ、ナビゲーションをご支援するのも私たちの役目です。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
今、私は体調を崩し1ヶ月の入院生活を経て、自宅療養中です。入院中は、検査の連続でした。その間、松愛会の会員や役員の皆様には多大なご心配とご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳なく思っています。また、自身でも「余命宣告」について考えることが多くなりました。
「健康寿命」という言葉を超えて、「暗闇でしか見えないものがある」という眠狂四郎の名セリフを思い出します。
私が導き出した結論は、私がいなくなったら悲しむ人が誰かを考え、そのためにできることをしたいということです。家族・会員のために、できる限りのことをしたいと思います。
今回の入院では、歴代の支部長様からもご心配と励ましの言葉を頂きました。中には、松愛会会員のために頑張ってほしいという激励もあり、大変感謝しております。
私の好きな言葉に、「経営とは縦と横。人生の縦は人生そのものの歴史であり、横は組織に所属する組織の意味を考える。」という事です。この3か月間の第1歩は、松愛会に所属しているからこそ、可能になったと感じています。
この記事へのコメントはありません。