淡海 話の小窓 Vol.8

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日本語の歴史(最終回

ペンネーム:薩摩のニセドン

本シリーズもいよいよ最終回になりました。

◆現在の日本語は明治以降に規則化された
 世界の中で日本語ほど複雑で柔軟な言語はないらしい。しかも、同じ文章の中に漢字・平仮名・カタカナ・アルファベット・単位記号など、何が入っても文章として成立するのである。

この日本語がこんにちを迎えるまでには、遥かな道のりが必要だったのだと、今更にして気付かされた。紀元前2~3世紀頃に文字が渡来してから、10世紀頃の漢字仮名交じり文が一般化されるまで、気の遠くなるような歳月が流れたことになる。改めて日本語の値打ちを実感せずにおれない。

 日本近代化の中で、明治33年、文部省は小学校規則制定の際に、初めて教育で用いる漢字1200字を定めた。漢字の数が余りにも多すぎたためである。同時にこの規則で、現在の平仮名字体と片仮名字体が定められている。

◆平仮名と片仮名の源漢字
平仮名は漢字を簡単にするためにくずして生まれた。また片仮名は漢字の偏や冠をとって作られた。元の漢字は何であったのか?ついでに紹介しておきたい。

【平仮名の源漢字】
 い「以」ろ「呂」は「波」に「仁」「ほ「保」へ「部」と「止」ち「知」り「利」ぬ「奴」る「留」を「遠」わ「和」か「加」よ「与」た「太」れ「礼」そ「曽」つ「川」ね「祢」な「奈」ら「良」む「武」う「宇」ゐ「為」の「乃」お「於」く「久」や「也」ま「未」け「計」ふ「不」こ「己」え「衣」て「天」あ「安」さ「左」き「幾」ゆ「由」め「女」み「美」し「之」ゑ「恵」ひ「比」も「毛」せ「世」す「寸」ん「无」

【片仮名の源漢字】
 ア「阿」イ「伊」ウ「宇」エ「江」オ「於」カ「加」キ「幾」ク「久」ケ「介」コ「己」サ「散」シ「之」ス「須」セ「世」ソ「曽」タ「多」チ「千」ツ「川」テ「天」ト「止」ナ「奈」二「仁」ヌ「奴」ネ「祢」ノ「乃」ハ「八」ヒ「比」フ「不」へ「部」ホ「保」マ「未」ミ「三」ム「牟」メ「女」モ「毛」ヤ「也」ユ「由」ヨ「与(與)」ラ「良」リ「利」ル「流」レ「礼」ロ「呂」ワ「和」ヰ「井」ヱ「慧」ヲ「乎」ン「尓」
(字源の由来は諸説あります)

雑駁な話でしたが、お読みくださりありがとうございました。
気の遠くなるような時と人手を介して生み出された日本語に愛着を感じずにおれません。大切に使いたいと思います。

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