『日本語の歴史(1)』
ペンネーム:薩摩のニセドン
あることがきっかけで、私たちの国の言葉=日本語の歴史を整理した時がありました。大津東高校隣の県立図書館で7冊ほどの文献を借り、結構な時間を費やして紐解きました。
私は学者ではありません。書物から拾い上げた知識を、自分で分かる範囲で整理しただけですが、ご一読いただけたら幸いです。
事実誤認や年代の読み違えもあると思いますが、それは大目に見てお許しください。大雑把に受け止めて頂けることを願いながら4回に分けて連載します。
~以下『である調(常体)』での記述をご容赦ください~
◆大和言葉の源は「あ・い・う・お」
紀元前1万年ごろからの縄文時代。人類が群れをなして生活する上でコミュニケーション(会話)は不可欠なものであった。日本人の祖先は、最初「あ・い・う・お」の四つの母音を発しながら意志の伝達を行っていたそうだ。勿論、身振り手振りを添えてのことである。
紀元前3世紀ごろに始まる弥生式文化の時代になると、大陸からの渡来人が流暢な話し言葉を日本に持ち込んだ。(当時の中国は戦国時代で、渡来人は難民あるいは戦火を避けて移り住んだ人々が主であったとか)
「あ~・う~・お~」の音声を中心に会話していた当時の日本人にとって、速くて多彩な言葉使いは驚きそのものだった。さらに唇の形を変えることで様々な音が出せることに気付き始める。この時代になって、母音としての「え」が加わったのだとか。
つまり、日本語は元々から「あ・い・う・え・お」の五つの母音に「k・s・t・n・h・m・y・r・w・g・z・d・b」の子音が組み合わさったものであったということだ。この時はまだ音声のみの言葉であり文字は存在しなかった。
◆日本人が最初に目にした文字は「漢字」
大陸や半島より船に積まれて貨幣や銅鏡などの物品が運び込まれた。近年になって「貨泉」や「漢委奴国王」などの文字が刻まれた遺物が出土している。
弥生時代(紀元前5・4世紀頃~西暦3世紀頃)のものらしく、すでにその頃から漢字は日本に伝わっていたということだ。
(ここで一言…なぜ弥生時代というのか?当時の土器が明治17年、東京本郷の弥生町の貝塚で出土したからこの名前にしたのだそうだ。それ以前は縄文時代と称され、何と紀元前1万年頃から紀元前5・4世紀頃まで続いたとのこと。それを思えば、現代はあまりにも目まぐるし過ぎる・・・!)
しかし、当時の日本人には、これが“ことばを表す文字”だとは理解できなかった。単なる目印とか模様程度の受け止めだったようだ。
漢字が実際に文字(書物)として持ち込まれたのは、3世紀後半の王仁博士(わにはかせ)が持ち込んだとされる『論語(10冊)』と『千字文(1冊)』の頃らしい。事実かどうかよりもそういう話題性が面白いと思う。ちなみに大阪の枚方市郊外には王仁(わに)公園が有り、王仁博士が祀られている。
5~6世紀に中国で著されたという『随書倭国伝(ずいしょわこくでん)』の中に、当時の日本についての記述が確認されている。
「文字なし。ただ木を好み、縄を結ぶのみ。仏法を敬す。百済に於いて仏経を求得し、初めて文字あり」と。
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「薩摩のニセドン」の、この話の続きが楽しみです。日本語には興味があり、色々と調べたり考えたりしています。最近、面白いことに気づきました。「あいうえお かきくけこ・・・」と声に出す時に、口を開けると出ない(口をいったん閉じないと発音できない)言葉があるんです。一度試してみてください。
『まみむめも』です。自分でも驚きました。
これを試したきっかけは、テレビでアナウンサー、出演者の声を聞いていて、何人かの「し、しゃ、しゅ、しょ、ち、ちゃ、ちゅ、ちょ」が耳障りなんです。歯から漏れたような高い音がします。そこで、言語学のことを調べましたが、原因などは分かりませんでした。自分でも試しましたが、そういう音はでません。そのうちに前記の「口を閉じないと発声できない」音があるのに気づきました。
誰か、これらのことの原因や研究記録があれば、教えてください。
太田さん お世話になっております。吉川です。
コメント頂きありがとうございます。
「薩摩のニセドン」さんのモチベーションもさらに上がりそうです。
なお本コラム欄は、投稿自由としており、皆様の投稿をお待ちしております。
テーマ選択も自由ですので是非ご投稿願います。(日本語シリーズも可能です)
またタイトル名の募集に応募いただきありがとうございました。
そのままの採用とはなりませんでしたが、意向を受けて淡海の文字をつけさせて頂きました。
引き続き、ご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。