【海龍王寺】
このお寺は、平城宮の北東隅の法華寺に隣接する、光明皇后の『宮廷寺院』。
遣唐留学増の玄昉(後に聖武天皇・光明皇后から初代住持に任じられた)が、東シナ海で暴風雨に遭遇した時、「海龍王経」を一心に唱えて無事に帰国を果たしたことから、聖武天皇が寺号を定められたとのことです。西金堂の堂内には「五重小塔」(国宝、高さ4m)が安置されています。細部の様式が薬師寺の三重塔に類似しており、奈良時代の建築様式を知る上で重要なものだそうです。
【不退寺(業平寺)】
海龍王寺から東方約1kmのところに、別名「業平寺」と呼ばれている「不退寺」があります。
第51代平城(へいぜい)天皇の孫・在原業平が開基したお寺だそうです。本堂には在原業平自らが刻んだ本尊「聖観世音菩薩立像」(重文)が安置されており、境内には在原業平をモデルにした『伊勢物語』の歌碑もあります。このお寺は「南都花の古寺」と言われているそうですが、今は季節外れで芙蓉の花をわずかに見ることができただけでした。
(2020.9.4 小西 宏明)
- 海龍王寺・山門
- 海龍王寺・西塔内の国宝五重小塔
- 海龍王寺・本堂
- 不退寺・山門
- 不退寺・境内
- 不退寺・多宝塔
- 不退寺・境内
- 不退寺・在原業平の歌碑
- 不退寺・芙蓉の花
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