伊澤 貢さん①
平城宮跡 緑のボランティア
伊澤 貢さん(奈良市青垣台)2014.10
平城宮跡をホームグランドとする伊澤さんと平城宮跡との関わりは15年前、見学者の解説ボランティアとして活動したことに始まります(当時年間20万人の見学者数が現在では55万人)。その後、平成17年1月に平城宮跡の環境を守るため除草・剪定を行う緑のボランティア活動を立ち上げました。以前、平城宮跡には400本の松がありましたが、松くい虫の被害で150本に激減、残った松を何とか守るため、伊澤さんはゴルフ場での取組みを教わりながら、松枯れ防止の活動を精力的に行いました。
松の剪定には緑のボランティアに加えて奈良職業訓練校OBの協力を得て、毎年1~3月の間に延べ200人が5か所の松の剪定を行いました。また3年毎に、1~3月に線虫を予防する薬剤を松の樹幹に注入しました。毎年4~6月には、線虫を運ぶマダラカミキリが成虫となり平城宮跡も外から飛来するので、それまでに2km範囲の枯れた松がある施設の情報を受け、昨年は、奈良少年院、天皇稜(宮内庁)や民家等に伊澤さんが松枯れ木の焼却をお願いして回りました。これらの取組みにより、ここ8年間は1本も松枯れをおこすことなく150本の松を守りました。2009年、文化財の環境整備のボランティア活動に対し文化庁長官から緑のボランティアが感謝状を受けました。緑のボランティア活動では、2013年度、伊澤さんを中心に年間29回、延べ349名が東院庭園、内裏、梅林等で汗を流しました。伊澤さんの行動が仲間を引き寄せています。
レポーター 渡里 滋(2014/10)
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