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第77回「京都・学ぶ会」和田 彩子様(ギャラリーにしかわ 店長)講演報告 『美々廊々』

 漸く秋らしい気候になって来た2024年11月25日(月)に、第77回「京都・学ぶ会」を和田彩子様(ギャラリーにしかわ店長)をお迎えして、「美々廊々」と題してご講演をしていただきました。和田さんは、京都の老舗のギャラリーマロニエ(ビル)の2階でギャラリ―とクラフトショップをやっておられる方で、1979年10月大阪府吹田市生まれの45歳の女性です。2002年に京都精華大学造形学科陶芸科を卒業されています。
 卒業後陶芸作家の道を歩むかどうか迷う中で、9月より「ギャラりーにしかわ」に縁あってアルバイトとして勤務を始められました。「ギャラリーマロニエ」は1955年に設立され、「ギャラりーにしかわ」は1994年にスタートしています。その後一時期他の仕事にも就かれましたが、「ギャラリーにしかわ」の仕事が好きで自分に向いていると気付かれて戻られました。2011年に前店長(オーナー)がギャラリーを止めることを知り、自分からオーナーに跡を継ぎたいと申し出て、正式に店長に就任されました。女性アルバイト2名とでお店を運営されています。
 やきものの仕事は、自分をプロの作家と比較して諦めると共に、やっぱり今のこの仕事が好きだと気付きこの道でやって行こうと決心されました。2011年の東日本大震災以降は客が激減しましたが、3年後ぐらいから客足が戻り、インバウンドの増加や中国人客の買い漁り等により、一時期バブルの様な異様な景色が見えるようになりました。しかしコロナ禍が始まると、またも世界が止まった感じがしましたが、店は閉めず、ギャラりーも開催し続けられました。今やSNSの発展でネットでの販売が伸びる中ですが、飽くまでも画廊や店に足を運んでもらって、実際に見たり手に取ったりして貰うアナログの世界を大事にされています。一方で、デジタル化対応との葛藤に悩んでも居られます。
 またお客様の高齢化が進む中で、若い層の取り込みが急課題となっています。そのためにも、文化都市京都は、文化庁の移転がありましたが、もっと美術教育に力(費用の投入も含め)を入れて欲しいと訴えられました。「マンガ」は今や世界共通の文化になっており、京都はその中心の一つになっています。美術系の大学も揃っています。もっともっと京都を文化芸術都市として盛り上げて行きたいと言う意欲も示されました。
 作家は自分で定年を決めるしかないが、作り続けるにはエネルギーが必要です。出来上がった作品を発表できる場をこれからも提供し続けたいと抱負を述べられました。最後になりましたが、学生時代に作られた作品を3点(鉢、絵が描かれた皿、オブジェ)持参して展示して頂きました。
 最後に司会の方から、是非一度「ギャラりーにしかわ」や「マロニエ」に足を運んで頂く様お願いしまして講演会を終了しました。和田さんにとって講演会は初めての経験でしたが、落ち着いて堂々と話しをされました。これに大いに自信を持って、「ギャラリーにしかわ」の将来について考えて、夢や目標を大きく膨らませて貰いたいと心から思い、応援したいと感じました。有難うございました。

 

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