ブログ

第56回「京都・学ぶ会」渋谷節子様講演(福知山公立大学教授)

 2020年11月30日(月)に、ラボール京都・第12会議室にて、渋谷節子様に「文化人類学から考える異文化理解と多文化共生」と題して、ご講演をしていただきました。渋谷先生は、1966年に外交官であったお父様の赴任地ジュネーブでお生まれになり、その後も旧ソ連、アメリカ、日本で幼少期から少女期を過ごされ、異文化体験をより多くされました。
 東大の英語英米文学科を卒業後、本田技研工業に入社され、カナダに2年間駐在されました。外国も日本も一時期は嫌いであったが、何かしようと考えた時に、今までの自分の人生を振り返って、異文化理解・文化摩擦・人種問題に興味を持たれ、東大教養学科に学士入学をされ、文化人類学を学ばれました。卒業後は、ハーバード大学院社会人類学専攻博士過程に入学され、「ベトナム農村の家族と社会変容」を研究され、人類学博士号を取得されました。その後も海外の研究所や東大はじめいくつかの日本の大学の講師を歴任され、2019年より福知山公立大学地域経営学部教授(多文化共生論)に就任されました。
 このような輝かしい経歴の持ち主ですが、講演をお聞きしてますと、大変気さくで親しみやすく、話の中にすんなりと入って行けました。「文化人類学」と聞きますと、どんなに難しい学問かと最初は思っていましたが、「文化」とは何か?という質問で、例として挙げられた食べもの(食文化)、衣服、言葉(国語・方言)、宗教・信仰、お祭り、芸術(音楽・絵画他)、習慣、考え方・価値観・人間関係が正に文化であると言われ、そこで「文化」を身近なものに感じることが出来ました。また「文化」とは、生活・人生の一部であり、人間の生活を豊かにしたり、なくてはならないものであり、人間を形作る重要なものであると改めて認識しました。先生のフィールドワークの「ベトナム研究」について、1年半の滞在を通じて研究されたことを映像を通して紹介して頂きました。研究テーマは「社会変化と家族」であり、異文化とは?身近にある異文化とは?異文化に接したら?異文化理解の楽しさ等について語られる中で、現代こそ「他者理解」が一番必要とされていると痛感しました。
 日本も最近外人観光客の増加と併せて、急激に外国人居住者が増加していますが、「多文化社会」をどう構築して行くか、「多文化共生」をどう実現して行くかを真剣に考える時期に来ているとも感じました。最後に現代の若者へのエールとして、「行動」、「チャレンジ」、「何とかなる」、「やってみなはれ」、「直観を信じる」の言葉を頂戴しました。余談ですが、休憩時間にほぼ全員の会員が、先生を囲んで写真撮影をさせていただきました。こんなことは当会始まって以来のことでした。
 因みに、渋谷先生は雅子皇后の双子の妹さん(三女)です。  以上

西脇幹事から諸注意の伝達

藤川会長の開会挨拶と講師の紹介

本日の講師 渋谷節子様

府北部から参加の真下さん

講演が始まりました

資料を投影しお話されます

分かりやすい資料①

「文化人類学」とは

分かりやすい資料②

講演風景(前から)

講演風景(後ろから)

質問をされている山田さん

質問について答えられる渋谷先生

渋谷先生と記念撮影①

渋谷先生と記念撮影②

渋谷先生と真下さん家族

渋谷先生と記念撮影③

渋谷先生と記念撮影④

PAGE TOP