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大嶋 光昭様が旭日小綬章を受章されます


京都支部、西京区在住の大嶋光昭様が、令和2年春の叙勲において旭日小綬章を受章されることになりました。
 大嶋様は、1974年に入社され以来生活に身近な分野で「世界初」の研究を続けてこられ、現在も名誉技監として本社の研究部門で研究開発活動を続けておられます。
 旭日小綬章は、国や公共に対して功労のある者、とりわけ顕著な功績のある者に贈られるもので、科学技術の振興に寄与した「発明考案功労」での受章になります。パナソニックで技術職社員が旭日小綬章を受章するのは初めてとなります。

今回の受章対象となった技術は大きく以下の3つになります
1. 高速デジタル通信技術の開発
・1990年、アナログからデジタルへと通信方式が移行する時期に、受信状況に応じて最適な受信形態に通信パラメーターをダイナミックに変更するデジタル通信技術を開発し基本特許をとった。数十Mbpsの高速性と安定性の両方が実現するため、日米欧のデジタルテレビ放送規格に採用された。これを携帯電話用に展開した技術は5~10倍の大幅な高速化が実現するため、3G以降の携帯電話規格にも採用された。日本でもサービスの提供が始まった5Gの特徴の1つである低遅延伝送技術の基本特許も含まれており広く活用されている。
2. 手振れ補正技術の基本特許の開発と世界初の製品化
・音叉型形状をした振動ジャイロを考案し、世界初の製品を量産化した。その技術を展開して、カメラ撮影時の手振れ補正技術の基本特許を発明し、世界初の手振れ補正内蔵ビデオカメラを1988年に製品化した。これ以降、現在でもデジタルカメラ(デジカメ)、一眼カメラやスマートフォン(スマホ)の手振れ防止機能として、多くの人に活用されている。
3. 著作権保護の基本特許技術の開発と事業化
・1995年、光ディスクに記録するコンテンツの著作権保護技術の基本特許を発明。光ディスク1枚1枚毎に固有の複製防止のマークを記録する技術を考案。これによりゲームソフトを記録した光ディスクの海賊版防止などを可能とした。また、光ディスクへの複製回数の制御ができるため、現在でも、デジタル放送コンテンツの光ディスクへのコピー回数の制限、いわゆる「ダビング10」として活用されるなど、広い分野での著作権保護技術として活用されている。

大嶋 光昭様 主な経歴
パナソニック株式会社 名誉技監

 イノベーション推進部門 ESL研究所 所長 工学博士 京都大学 特命教授

(プロフィール)
パナソニックの重要分野において10件の新技術の基本特許の発明と、開発、事業化をおこなっている。登録特許は海外特許を含めると1300件。日本を代表する発明家で、特許庁から「平成の10名の発明家」に選ばれている。現在社内で名誉技監として、本社の研究部門において新技術の発明と開発を行うとともに、若手の育成指導を行っている

(職  歴)
昭和49年 4月 松下電器産業株式会社 入社 無線研究所に配属
         その後、本社の研究開発部門にて技術職として勤務
平成16年 4月 技監に就任
平成17年 4月 理事・技監に就任
平成21年12月 本社技術部門 顧問に就任
令和 2年 4月 名誉技監に就任

         現在に至る
(社外歴)
平成23年 4月 京都大学 特命教授に就任。現在に至る

(主な社外受章歴)
昭和62年 4月18日  科学技術庁 第46回注目発明(撮影装置の発明)
平成14年11月19日  (社)発明協会 近畿地方発明表彰 日本弁理士会会長奨励賞

             (手振れ補正技術の発明)
平成15年 6月17日  (社)発明協会 全国発明表彰 恩賜発明賞

             (撮影画像の揺動防止技術の発明)
平成16年 4月29日  紫綬褒章 受章(撮影時の手振れ補正技術の開発)
平成19年11月15日  (社)発明協会 近畿地方発明表彰 発明協会会長 奨励賞

              (階層型デジタル伝送方式の発明)
平成20年 6月17日  (社)発明協会 全国発明表彰 経済産業大臣発明賞

              (階層型デジタル伝送方式の発明)
平成22年 1月25日  (社)発明協会大阪支部 大阪優秀発明大賞

             (セキュアな記録領域をもつ光ディスクと記録再生装置の発明)
平成23年11月21日  (社)発明協会 近畿地方発明表彰 文部科学大臣 発明奨励賞

              (3Dデジタル映像の伝送・放送・記録・再生方式の発明)
平成24年 6月19日  (公社)発明協会 全国発明表彰発明賞

              (3Dデジタル映像の伝送・放送・記録・再生方式の発明)
平成25年 4月25日  (公財) 市村清新技術財団 市村産業賞 貢献賞 

              (デジタル3D映像の高効率符号化と放送記録技術の開発と実用化)

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