2014年11月23日
今年の枚方南支部の社会見学会は、11月23日(祝日)の午前の部で実施しました。場所は上方落語専門の寄席「天満天神繁昌亭」です。寄席としては小さいですが小奇麗で落ち着く感じがしました。当日は枚方南支部の貸切りで、出し物は落語2席と、普段は聴けないお囃子の説明および落語の解説でした。
一席目の演目は、桂 三語 さん演じる「ちりとてちん」です。桂 三語さんは「桂 文枝」の19人の弟子の17番目と自己紹介していました。知ったかぶりの通ぶった男に、腐った豆腐を珍しい食べ物だとだまして食べさせるという噺です。「ちりとてちん」は8年前のNHKの朝ドラで、「貫地谷しほり」演じる新人落語家が師匠から最初に稽古をつけてもらうのを好演していたのを思い出しました。
二席目の演目はおなじみの「じゅげむ」、生まれた子どもにお目出度い長〜い名前を付けたドタバタを描いた有名な落語です。演者は 笑福亭たま さんです。この長い名前は漢字で書くと、次のようになるようです。
『寿限無、寿限無、五劫の摺り切れ、海砂利水魚の水行末、雲行末、風来末。食う寝るところに住むところ。やぶら小路やぶ小路、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助』
寿限無というのは寿命に限りがない、言い換えると限りなく長生きすることです。名前の一つひとつの語句が、長寿を願う言葉で綴られていることを初めて知りました。
引き続き、笑福亭たまさんによる、お囃子の説明および落語の解説の話がありました。お囃子の説明で驚いたのは、ベテラン噺家になると自分だけのお囃子があることでした。また、落語解説では会員の13班の中村正二さんが、促されて檜づくりの舞台に上がり、うどんすすりの芸でプロ顔負けの演技を披露し、おおいに盛り上げていただきました。たまさんとの応答も軽妙そのもので、ご本人も楽しまれているように思われました。
今回の落語見学会は、演者の顔の表情、声の変化、身振りなどを身近に見て、最初から最後まで楽しい時間でした。楽しめて、笑えて、ホッコリできる繁昌亭の魅力を大いに満喫しました。そんなこんなで久しぶりに朝から素直に笑えた、あっという間の1時間半でした。 終了後は皆さん、天満宮の参拝や天神橋商店街を散策し、美味しいものを食べて帰られたようです。
(天満天神繁昌亭概説)
天満天神繁昌亭は、大阪市北区天神橋二丁目にある関西では戦後60年ぶりに復活を遂げた上方落語唯一の寄席です。お隣にある「大阪天満宮」の用地無料提供のご好意や、「繁昌亭建設募金」など多くの方々のご厚志と支援により、大阪の噺家にとって長年の悲願であった寄席が、天満天神繁昌亭として2006年9月に開席されました。
昼は週替わり 夜は日替わりで、ベテランから若手までの落語家が登場し、連日バラエティに富んだ内容の寄席をとどけ、誕生以来多くの人に愛され、すでに大阪の新しい名所として賑わいをみせています。2013年の8月には開設から7年で入場者数100万人を突破し、その人気の高さを証明しています。
写真:中溝・櫻田 レポート:横山・中溝・櫻田・HP委員 HP作成:冨松