第24回 夢中人紹介 稲継 進さん

”釣りを始めて60年、今は鯛釣りに魅せられて”

枚方市東中振1丁目在住
2015年6月6日 取材

1.取材訪問

 初夏の兆しを感じさせる6月初旬、枚方市の「南部生涯学習市民センター」の会議室で、今回の ”夢中人” 稲継 進(いなつぐ すすむ)さんにお会いし、幼少の頃から65歳になられた現在まで愛好されている趣味の釣りについて長時間にわたりお話を伺うことができました。我々5名の取材のお願いを快く引き受け、日頃ご愛用の釣り道具を始め、釣り日誌・写真等の資料をご持参され懇切丁寧な説明をして頂き、取材者一同感謝しています。

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2. プロフィールと動機

 1974年(昭和49年)松下電器に入社し 2010年に定年退職されるまで、機構部品事業部を始め一貫して部品関連事業場の技術者として会社人生を過された。
 物心ついた時からお兄さんに連れられて近くの池・小川に釣りに行っていたが、小学生の休みにはほとんど友達と近くの小川に釣りに行くようになっていた。中学生になると下校途中に友達の家に鞄を置き、釣りに行ってから帰宅するようになる程釣りを好きになった。

 大学時代は講座のメンバーとキス・ハゼ等の釣りをやり、会社では福井県敦賀へ転勤後に浜からの投げ釣りや磯釣りを楽しんだ。その後門真に戻り、職場の先輩に連れられて和歌山方面に行き、初めて船釣りを経験した。再び敦賀へ転勤となった時に先輩の船で”鯛釣り”を始めたところ強く魅せられ、63歳で小型船舶操縦免許証の一級も取得した。

3. 活動状況

 釣りの団体には所属していない。松愛会入会時に同好会立ち上げを要請されたが、釣りも範囲が広く、同好の人をみつけるのは困難で立ち消えた。また、色々な釣りのトーナメント(バス、チヌ、グレ、鮎)があるが真鯛はないため、釣りのイベントにも参加していない。元々他人と競うような釣り(趣味)ではないため。現在は毎年6月頃から11月末の期間に、月に1~3回(年12回程度)、釣り仲間3~4名と釣りに行っている。先輩の持ち船で敦賀湾をお昼頃に出港し、夕方6時頃まで釣りをし寄港、車で枚方の自宅へ帰るのが通常の活動。
 これまでの釣り活動の中で記憶に強く残っているのは、2012年10月に82cmの真鯛を釣り上げた時のこと。直前に64cmの真鯛と約50cmのハマチがダブルで掛かり、2匹の魚の引きの強さでドラッグが滑りスプールが逆転し(*1 参照)、心臓がバクバク状態になったが、何とかタモ(網)に収まった時は安堵でぐったりした。

 その後に82cmの真鯛が掛かったが、落ち着いて慎重に対応できて釣り上げることができた。また、敦賀での最初の船釣り時に、50cm位のハマチがダブルで掛かり、海の魚の引きの凄さを知った。シンガポールの子会社出向の時は、マレーシアの海で強い引きの後に凄い引きを感じ、上がってきたのは全長約60cmと推測された魚の頭だけで(釣れた魚を鮫が食いちぎった)、6号のPE製釣り糸がブツブツに切られ、南の海には凄いのがいると実感した。敦賀湾でも大物が掛かり、6号のフロロカーボン製釣り糸を切られたことがあった。 (*1) ドラッグ・スプール:リール(下の写真参照)の一部で、釣り糸の引き出しの力を調整するドラッグは、右に回せば締まり左に回せば緩む。巻き上げ時に針に引っ掛かった魚により設定値を超える強い引きがあると、ドラッグが滑りスプール(釣り糸を巻いているドラム)が逆回転して釣り糸が出ていく。

4.釣りの魅力

➀ストレスの発散:自然の中で魚と対峙している間は釣り以外のことはすべて忘れられる。
➁感動を味わえる:少しの緊張、釣れない時の工夫、釣れた時の手ごたえと興奮。

➂運と工夫とテクニックの差が表れる:毎回の経験が生きるし、釣れない時ほど”引き出し”が増える。
➃新鮮な魚を美味しく頂ける:刺身、昆布〆、味噌漬け、アラ炊き、塩焼き等色々な料理が味わえる。

5.釣りの心構えと助言

➀安全第一:あくまでも趣味なので、波・風が強い時は出港しない。ライフベスト着用、暑さ寒さ対策、脱水症防止の為の適度な水分補給。
➁全力で釣りを楽しむ:色々なことに対応できるように準備を怠らないこと。
➂掛かった魚は逃がさず取り込む:逃げられるのは下手の証と心得る。(大物に備え、慎重に対応)

➃仕掛けは自分で作る:釣れれば楽しみも倍増。逆に、仕掛けの拙さで魚を逃がした時は悔しさ倍増。
➄釣れれば良し、釣れなければその原因を考え次回改善すれば、釣果は付いて来る。一日自然の中にいれば健康になる。
⑥釣った魚は美味しく頂く:魚が小さければ放すが、釣った以上は美味しく食べる為、できれば自分で料理をし食べる方法を研究する。

6.今後の目標

「目標はないが、85cm以上の真鯛を釣ることや、毎年70cm以上の真鯛を釣りたい希望はある。何はともあれ趣味なので、楽しい時間を過し、手ごたえ・感動が味わえれば良いと思っている」と楽しそうに話される稲継さん。「今後の釣り人生に、釣果多かれ‥」と祈ります。

<取材:梅原、吉川、大熊、石川、倉橋 HP作成:石川 WP編集:吉川>

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