第23回 夢中人紹介 米田 育平さん

”囲碁上達とインストラクタ―に夢乗せて”

枚方市茄子作4丁目在住
2014年12月4日 取材

1.取材訪問

 師走の慌ただしさが漂い始める少し前の12月4日に、枚方市茄子作の閑静なベッドタウンの一角にある、ご自宅に取材に伺った。車2台でお伺いすると聞かれ、わざわざお知り合いの方の駐車場を予約頂く律義さに、お人柄の素晴らしさを感じたのは、筆者だけでなく取材者一同が感じたと思う。米田夢中人は、1947年(昭和22年)京都生まれの67歳である。父君の転勤によりその後、大阪・奈良に在住し現在も実家は奈良にあるとのこと。

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2. プロフィールと動機

 松下電器入社は1971年(昭和46年)配属は奈良の松下住設(株)で、技術本部、松下技研と異動し、大阪・豊中市の松下産業機器(株)で定年退職されたが、職種は一貫して経理畑一筋である。お父さんが囲碁をされていたことで、小学生の時に碁盤と碁石を買ってくれたが興味が湧かず、五目並べをする程度であったが、大学入学と同時に囲碁部に入部し本格的に取り組みを始められた。

 大学対抗試合や町内会の大会で優勝するなどして実力を養成、4年生時に初段となられた。社会人になってからは仕事最優先で忙しく囲碁から遠のいていたが、1996年(平成8年)に転勤した産業機器は囲碁が盛んなところであり、囲碁部には30人前後の部員がいた、プロ級の実力者もいてその中で揉まれ、定年1年前の2006年12月には、59歳で関西棋院から六段の免状を取得された。

3. 活動状況

 定年後2012年に松愛会囲碁部に入会され活躍されている。その松愛会囲碁部では、通算四回の優勝をされ、その中で最も嬉しかったのは、2013年10月Aクラスで優勝し、続いて12月のAAクラスで優勝と続けて優勝したことであると言って居られた。近年になってからインストラクターの道をめざし、2008年5月にインストラクター、そして2014年9月に関西棋院のA級インストラクター免状を取得、この認定資格試験は筆記および対局解説等を伴い、全国で51名、大阪で15名、枚方市では米田さん1人という難関門を突破され見事合格された。
 昨年から小学生の弟子を育成され、当初十二級程度から始められ、その愛弟子が住吉神社祭り大会のジュニアの部で準優勝、南港囲碁フェスタで優勝するなど、ぐんぐん実力を付け現在三段~四段の実力を持っていると評価されていました。その他町内会や老人ホーム、囲碁クラブでも指導されているが、全てに於いて無償ボランティア活動とのことである。

関西棋院認定の
インストラクター
免許推薦権
インストラクター 一級まで
A級インストラクター 四段まで
S級インストラクター 七段まで
(五段以上は本院の認定が必要)

4.囲碁の魅力

 米田さんは囲碁の魅力について、忍耐力・・・辛抱強く我慢を重ねる事、序盤と中盤での読みで攻めを凌ぎ、そして終盤でのヨセで逆転し半目か一目で勝負を決する、忍耐に忍耐を重ねた上で勝つ事に醍醐味があると言う。総じて攻める時は楽しいがスキができる、我慢して守りができる人が強くなるとのお考えであった。

 また囲碁は右脳を80%使うゲームで、医学的にも囲碁は右脳を刺激し、ストレス解消に効果があることは既に認められていて、ボケ防止・脳卒中のリハビリ、予防面でも囲碁の効能が注目されている様です。結果として、囲碁は集中力が身につき、創造力を育み、発想力が豊かになるゲームだとご説明頂きました。

5.囲碁の歴史(日本棋院HPより一部引用)

 米田さんからも説明頂きましたが、囲碁の発祥は四千年くらい前に中国とも言われていますが、インドやチベットと言う人もいて、明確な事は分からないらしいとのこと。また日本への伝来は記録に残っていないが、朝鮮を通して五世紀頃に他のものと一緒に伝わって来たと言う説が有力とされているそうです。
 607年、推古天皇の時代に遣隋使の派遣で、聖徳太子は「日の出るところの天子から日が沈むところの天子へ」と書いた手紙を持たせました。

 その手紙を見た隋の皇帝は怒って「無礼な手紙だ。日本がまた何を言ってきても二度と私の耳に入れるな」と言いましたが、翌年、文林郎裴世清(ぶんりんろうはいせいせい)を隋の使いとして日本に送っています。608年、隋の国の裴世清(はいせいせい)という人は、日本に来て色々なことを調べ、体験したことを記録(=隋書・倭国伝)しました。その中には日本人は囲碁を好むことが書かれています。とのことですから、推古天皇の時代にはもう既に囲碁は日本で打たれていたことになるようです。

6.今後の目標

 3年後の70歳迄に、関西棋院のアマチュア七段免許状取得とS級インストラクターの登録証を得たい。そして小中学校や高校の囲碁クラブの顧問となり、基本から分かり易く教え、礼儀作法と共に人間形成に役立つ人材を育てたい。その為に自分で今迄に記録した「囲碁ノート」をパソコンで集約し「囲碁入門編Ⅰ」として、「囲碁とは」「マナー」「ルール」などに、纏めていると話される夢中人の目は輝いていました。目標は必ず達成されると直感しました。

<取材:梅原、吉川、大熊、石川、倉橋 HP作成:倉橋/大熊 WP編集:吉川>

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