櫻田仁【3班】2022.10.7
10月8日(土)は、清少納言の有名な言葉 “月は満月よりも、幾分欠けているほうが風情ある” 。古来より日本人は、満月より少し欠けている月に、其処は彼と無い(そこはかとない)美しさを見いだし、おもむきを感じていたのではないでしょうか。
「不足(マイナス)の美」、「未完成の美」、「余白の美」、「引き算の美学」という、日本人独特の美的価値観によって、満月よりも少し欠けている十三夜の月のほうが美しいともいわれています。
目に見えるものが全てではなく、大切なのは人々の心な中で映し出されたものが「本当の美」であるとされ、月が欠けた部分はその美しさを、より引き立たせる大切な要素でなかったかと思います。
十三夜は、十五夜と同じく名月を鑑賞する昔からの習慣です。旧暦8月15日は「十五夜(9月10日)」でしたが、それからおよそ1か月後に巡ってくる旧暦9月13日を「十三夜(10月8日)」、別名「後の名月」ともいいます。十三夜は、十五夜に次いで美しい月夜とされています。
十五夜と十三夜のうち、どちらか一回しか見ないのを「片見月」といって縁起が悪いとされていたため、昔は両方お供えをしていました。
さて、十三夜は「栗名月」の異名もあり、これはお供え物に出す栗が、ちょうど食べ頃になるからです。このことから、十五夜の「芋名月」、十三夜の「栗名月」は、お供え物も その名前にふさわしく用意されるのが習慣となっています。
特に日本の歳時記では、和菓子が欠かせないお供え物になっています。そこで十三夜にふさわしい老舗の和菓子を紹介します。お供えしたものは、お茶とともに美味しくいただくことで、神様との結びつきが強くなると考えられています。
「秋の七草」
秋の七草は、万葉集に収められている山上憶良(やまのうえおくら)の一首の歌が始まりです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
・・・秋の野に咲いている草花を指折り数えると七種類ある・・・
十三夜には、「秋の七草」から、いくつかの草花を生けてはいかがですか。
「春の七草」が七草粥にして無病息災を祈るものに対し、「秋の七草」は美しさを鑑賞し楽しむものといわれています。
澄んだ大気に包まれ、美しい月を眺めたり、虫の声に耳を傾けたりしながら、ゆったりと心を癒し、 昔ながらの行事や伝統を知り、四季を感じながらの生活をたのしんでいただければ幸いです。
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日本人の美意識の奥深さと情緒を感じます。勉強にもなりました。
素晴らしい自由投稿ですね。感動しました。
素晴らしい・・・風情ありますねぇ~