枚方の施設 第8回 『渚水みらいセンター』 

第8回 『渚水みらいセンター』 

2007/10/4

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渚水みらいセンター 舎

[渚水みらいセンターの概要]
★名称 淀川左岸流域下水道渚水みらいセンター(旧名称渚処理場)
★場所 枚方市渚内野4-10-1(府道京都守口線・三栗府営住宅信号淀川側)

渚水みらいセンター全景  淀川河川敷に牧野ゴルフ場があります

★枚方市と交野市で「淀川左岸流域下水道組合」を組織し、18名の職員と常駐メンテナンス会社社員24名で、枚方40万、交野8万人の大部分の下水処理を行っています。
現有処理能力は1日14万立方メートルです。(センターの面積は26万平方メートル)

渚水みらいセンターは、2つの幹線下水道(旧1号線沿い楠葉までと天の川沿い交野市まで)と、寝屋川市石津中継ポンプ場までの放流幹線を管理しています。市内の網の目のような下水道は、市が管理しています。
平成18年度現在の下水道普及率は 、枚方90%、交野94%、大阪府平均は92%です。

[下水処理システム]
  渚水みらいセンターには、水処理施設と大阪府が運営している汚泥処理施設の2つの施設があります。下水の99%は水です。「沈殿池」で水と汚泥に分けられ、水処理施設と汚泥処理施設で処理されます。

1.水処理施設

水処理の主役は微生物です。微生物で水の汚れを全て分解します。
処理工程は、「最初沈殿池」ー「微生物による処理槽」ー「最終沈殿池」ー「濾過池」ー「塩素処理」 の順番で行われ放流されます。

微生物による処理は、標準活性汚泥法と嫌気・無酸素・好気法の2つの方法が使われています。(それぞれ、8池、合計16池あります)
標準活性汚泥法は、エアレーション(曝気)タンクで微生物の力で処理します。

嫌気・無酸素・好気法は、生物反応槽の中に嫌気槽・無酸素槽・好気槽があり、それらを組合わせる事により、微生物の力で有機物だけでなく、海で赤潮の原因になる窒素、リンも除去します。

微生物には、汚れの度合、酸素の量、水温等によって働く菌が異なります。 従って、それぞれの槽ごとに最適条件を作り微生物をどんどん増殖させ活発に働かせる必要があります。処理場の性能は微生物をいかに上手に育てるかに掛かっているそうです。

例えば、好気槽ではどんどん空気を送込み酸素を供給する事で微生物を活発に働かせます。微生物の種類は、多種多様です。
万一災害等で微生物が無くなった場合は、2~3ケ月 かけて微生物を育てないと処理の再開は出来ないそうです。

下水の取入れから放流までの処理は、12時間程度で行われます。 処理の負荷が大きいのは、ソース類、油、みそ汁等だそうです。(微生物が苦労しています)
又、面倒なのは、食パン袋のプラスチックの口止め等の軽くて小さいもので、これが小型ポンプにくっ付きポンプを止めてしまう事がよくあるそうです。
台所と処理場は直結しています。汚れた食器は拭取ってから洗う等、皆様のちょっとした細かい気遣いをお願いします。

2.汚泥処理施設
最終沈殿池で沈んだ汚泥は、微生物をたくさん含んでいるので生物反応槽へ送り返されます。余った汚泥と最初沈殿池の汚泥は、脱水・乾燥し更に溶融炉で1300度で焼かれ溶けたガラス状になります。
これを自然冷却すると5~6センチの割れた塊になります。又、水で強制冷却すると砂のように細かな状態になります。これらは、道路工事用、花の栽培用の土などに利用されています。

放流は、上水道取水場との関係で寝屋川放流幹線で寝屋川市の石津中継ポンプ場まで送られ寝屋川に放流されます。

[処理水のリサイクル]
★処理された水の一部は、ポンプで高さ20mの高架水槽に揚げられセンター内の各施設に送り機械の冷却水や沈砂池で取り出されたゴミや砂の洗浄水、植木の散水に利用されています。
又、周辺の一部を広場にして市民の皆さんに水に親しんでもらえるよう開放しています。桜や柳などの樹木が多数植えてあり、安定池には鯉や鮒などが、せせらぎ水路にはトンボやヤゴなどの水棲生物が生息できるような環境を創造し、周辺環境との調和を図っています。
その他にも、 枚方市総合福祉会館(ラポールひらかた)の冷暖房用熱源に、枚方市役所前せせらぎ水路用、京阪電鉄枚方市駅のトイレ洗浄水用等に有効利用されています。

[取材の感想]
下水処理の主役は「微生物集団」で、微生物の力のすごさを知りました。以前から河川の汚れが問題になっていますが、川の水に酸素を送込んでやれば微生物が働き、きれいになるそうです。
私たち市民が快適に暮らせるように微生物と共に黙々と働いておられるセンターの皆様に感謝したいと思います。

※今回は、渚水みらいセンターの杉浦史郎様にご案内戴きました。

 

<リポーター:岸本、山添、冨松、金箱、井須  WP編集:永井

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