第8・9回『ほたに小径・氷室路』
(穂谷新池周辺)・(尊延寺5~尊延寺3)
2004年10月 4日取材
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◆ほたに小径(穂谷三丁目、穂谷新池周辺)
枚方の最東端、穂谷バス停で下りると目の前に公民館がある。公民館の横を少し下ってゆくと穂谷新池に出る。
秋の陽射しが山里に降り注いで新池公園に植えられたシロガネヨシが銀色に光っている。白壁の蔵つきの大きなお屋敷が並ぶ穂谷3丁目の村落は、山懐に抱かれてのどかでゆったりとした気持ちにさせてくれる。
ほたに小径は公園になっている穂谷新池を回り、村の中をめぐっている小道だ。新池の周りの植え込みには萩の花が咲き、紫式部が小さな実をつけていた。池に流れ込む川沿いに小さな東屋がしつらえられ、市内の女性グループが遅い朝食を取りながらおしゃべりを楽しんでいた。小さな実をつけた柿の木が庭に植えられ、秋の草花があちこちに咲き乱れている。秋のこの季節には、ほのぼのと出来る風景の空間だ。
小道の途中を左にとり畑のあぜ道を行くと、枚方野外活動センターへの取り付きに出る。この棚田には、食べられる野草採取の親子教室で今年の春訪れ、ノビルやつくしなどを採取したところだが、四季折々に訪ねてみたいところだ。
新池のすぐ東側に、枚方で唯一の造り酒屋「重村酒造」(2012年3月末で廃業)がある。余りにひなびていて今でも酒づくりがされているのか、判りづらかった。穂谷公民館の横から、だらだら下りの道を行くと、関西外大穂谷校舎に向かって休耕田を活用した穂谷コスモスの里があり、たわわに実った稲穂の間にコスモス畑やひまわりの畑があり、自分で摘んで箱に現金を入れる即売のシステムになっている。
◆氷室路(尊延寺5~尊延寺3)
外大穂谷校舎口のバス停から、国道307号に出たところから左に尊延寺の村落の中を通る旧道「氷室路」が始まる。氷室小学校の下で再び国道307号に出るまでの短い道だが、この道沿いの旧家の趣には懐かしさと暖かさを感じる。
特に中央付近には黒塗りの土塀を持つ田中医院があり、そこから左に来雲寺の本堂が見える。この本堂からは、大塩平八郎に師事し乱に参加したため若くして処刑された、深尾才次郎一家の位牌が見つかったところだ。氷室路の終点で307号を超えた所に、才次郎の兄、深尾治兵衛家の屋敷跡があり大塩平八郎中斎遺跡の碑がある。
来雲寺のすぐ隣には厳島神社がありここの拝殿は宮島から移設したといわれる。神社の東側には村の共同墓地があり、深尾一族の墓の中にひっそりと浄練居士(深尾才次郎)の戒名が刻まれている墓石がある。
旧家の続く風情の氷室路だが、公民館を過ぎて600mぐらいで再び穂谷川を渡り、国道307号線に出てしまう。秋の陽射しの中を散歩するには絶好のロケーションだった。
<リポーター:岸本・井須・田宮・鬼頭・中西・日垣・冨田 HP作成:冨田 WP編集:徳田>