2泊3日 富士山ゆっくり?登山

2泊3日 富士山ゆっくり?登山

 我が家の昨年1番のイベントとなった富士山登山、通常は1泊で登るツアーが多い中、「日本一ゆっくり登る2泊3日の富士登山」といううたい文句に釣られて、妻と息子と3人で8月31日から9月2日までのツアーに参加して来ました。

 初日は、京都から新幹線で三島駅へ、そこからバスで五合目に、昼食後、五合目から登山開始、七合目まで標高差約620m距離約4kmを登って山小屋で1泊。
 2日目は七合目から頂上まで登り、昼食の後、頂上の火口(直径約800m)を1周する「お鉢めぐり」。途中で最高峰の剣が峰に登り、また七合目の山小屋まで戻ってくるという標高差約870m距離約8kmの行程。
 3日目は五合目まで下山、バスで、「紅富士の湯」に寄り温泉を堪能、昼食後三島駅まで、三島駅から新幹線で京都まで帰ってくるというもの。

 三島駅に集合すると、大阪や名古屋からの参加者も含め総勢53名。「日本一ゆっくり登山」のうたい文句につられてか、値段も高いのでほとんどの方は年配者。26名と27名の2班に分かれ、バス2台に分乗して出発。その後の登山もこの2班に分かれて行動、1つの班に対し山岳ガイド2名と、旅行のツアーガイド1名が就くというものです。

富士山頂に到着
クリックでyoutube画像へ

山頂火口前にて
遠方が最高峰の剣ヶ峰

かつての気象観測所が残る
富士山最高峰剣ヶ峰

 妻も含め「日本一ゆっくり登山」からくるイメージはトレッキングの延長程度のもの。しかし、いざ登るとそれとはかけ離れ、さすが日本一の富士山だけあってかなりきついと感じました。よく富士山登山風景を撮った写真をみると、石ころが転がった砂利道みたいな坂道を歩いていますが、距離的にはそちらが長くはあります。しかし、登りの3割くらいはかなりの石段と溶岩でできた急な岩登りの難所。この難所が、時間的にも体力的にも7~8割くらいを占める感じです。

剣が峰頂上にて

指さす先の赤いポイントが
日本最高地点(3,776m)

中央遠方の建物から出発の
「お鉢めぐり」

 年配者の参加が多かったため、私の参加した27名の班では、初日の7合目の山小屋で5名がリタイア、2日目出発後、八合目途中で下山勧告を受けた人が1名、頂上まで登ったのは21名、そこから更に山頂火口を1周する「お鉢めぐり」に参加したのはわずか6名(参加者の約2割)だけというものでした。
 頂上からの下山途中で滑って転倒骨折し、キャタピラ付きの救急搬送車で病院に運ばれた人が1名(ちなみに救急搬送車を呼ぶと10万円とのこと)、3日目の七合目からの下山途中、疲れと足の痛みで動けなくなり、6合目から馬(6合目までは馬で登り下りできます)で下りた人が1名。

おしりを着かなければ怖い
急な岩場

 残念ながら妻は山小屋でリタイア、頂上への挑戦は断念せざるをえませんでした。

 確かに一般の富士山登山よりはかなりゆっくりなのでしょうが、なめたらあかん!半年ぐらいは階段の登り下り、慣れてきたら1段飛ばしでの登り下りで鍛えるくらいの準備が必要と感じました。

七合目の山小屋から見る「影富士」

 途中の山小屋での飲み物や食べ物の値段は当然ながらかなり高く、500㎖のペットボトルは500円、山頂で食べるカップヌードルは1,000円、レトルトカレーは1,500円、その他、トイレ利用料200円。1泊目はやめてくださいと言われた夕食のビール、2泊目は翌日が七合目からの下山のみなので解禁となり、さぞ高いだろうなと思いきや、これは他に比べると意外に安く、小ジョッキ900円。

 ゆっくり登山のメリットは、2泊すること、つまり、ご来光が見れるチャンスが2回あるということ。初日天候が悪くて見れなくても、もう一度チャンスがあるということ。その分、頂上でのご来光とはいきませんが、七合目でも十分綺麗で神々しいご来光が見れました。

富士山頂本宮浅間大社奥宮の御朱印

登頂証明書、浅間大社お札、
登頂日 刻印のキーホルダー

 2日目の登頂開始時の予報は、晴れ、頂上の気温は9月1日にもかかわらず3℃。ガイドさんによると、曇りや雨では景色が見れず楽しくない、かといって晴れて気温が高いと汗をかいて体力を消耗しやすく、この晴れの低気温が最高の登山条件とのこと。
 幸運にも3日間とも絶好の天気に恵まれ(ガイドさん曰くこんな好天が3日も続くのは初めて)、ご来光、ブルームーン、相模湾、箱根の山々、遠くにはかすかに房総半島、頂上の360度のパノラマ展望、等々、人生でもとびっきりの感激の思い出となりました。

 

2024年1月 HP作成:多々納 俊志 

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