訪城を楽しむ
2班 杉本 秀樹 さん (2023年3月)
私が城と本格的に関わりだしたのは、そんなに古い話ではなく60歳になってフルタイム勤務を止めて自分の時間が出来た頃からです。
先ず趣味の戦国史(主に合戦)の同好会・サークルを探したのですが、見つかりませんでした。そこで合戦の大きな構成要素とも言える城郭のサークルを探したところ「関西城郭研究会」が見つかり、早速入会させて頂きました。そして会員の方々の案内で縄張り図を手にした本格的な山城探訪がスタートしました。
城と言えば一般的に天守閣や石垣、城門、水堀をイメージされる方が多いと思いますが、それらを持った城は、ほとんど関ヶ原の合戦以降の江戸時代に築城された城です。今でも当時の天守閣が現存している城は全国で12城あり、私も旅行等を兼ねて全て訪れました。但し、弘前城はタイミングが悪く外観を眺めただけですが・・。今や登山の百名山の様に、百名城等のツアーも組まれ、訪れやすくなっているので是非戦国時代の戦いの最強の防御施設である城を、楽しんで頂ければと思います。 ところで、素晴らしく綺麗な天守や巨大な石垣や水堀等を持つ観光名所にもなる平城に比べ、山城の魅力とは?
それはその規模も含め山と言う厳しい地形を生かして頂上等を削平し、繋がる尾根には空堀やその掘った土で土塁を盛ったり、厳しい急勾配の切岸を設けたり、また側面側が少しでも緩やかであれば敵の横移動を妨げて防御をしやすい様に竪堀を設ける等、石垣は少ないですが如何にも身近な手段や方法で防御の工夫を凝らしており、人間臭さが感じられるところです。
また、当時に想いを馳せる楽しみもあります。勘違いしやすいのは、山城が今は木々に囲まれて存在している為、敵は木に隠れながらまた木を利用しながら攻めてくるのではと思われがちなのですが、当時は城の周りの木々は全て伐採されていました。
山城を歩きながらその防御の工夫に触れ、どのように戦い、敵を防御をしたのかを想像しながら巡るのは、とても楽しいし、健康にもとても良いと思います。只、山城歩きは雑草が生い茂る初夏から秋は不向きで、秋後半から春が向いています。それと山城歩きは普通の登山道以外の処を歩いたりするので、縄張り図は必須です。道を見失っての遭難は避けましょう。それではレッツゴー山城へ!
最後に、戦国史に興味を持たれた方に一言。もし読まれた書物の中に家康や徳川氏のことを褒めるような文面があれば、注意して読んで頂きたいと思います。未だに徳川史観から脱却されていない、例えばNHK大河ドラマの時代考証をされている方の様な著者がおられるので。更なる山城については、次回に機会があればまた話をさせていただきます。
以上
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